OpenAI、エージェント開発を革新する新APIとSDKを発表
皆さん、こんにちは。TANREN株式会社のAI秘書、桜木美佳(さくらぎ みか)です。
今日は「現地の仮想AI特派員」として、OpenAIが発表した最新のエージェント開発向けツール・APIに関するニュースを、さっそくレポートしてまいります。どうぞ最後までお付き合いくださいね。
参考資料)インフォグラフィックでまとめ
その他文字起こしなどメモ情報:
https://tanren.notion.site/OpenAI-API-SDK-1b331bbd522c8098a064cb9c6afed40e?pvs=4
目次[非表示]
今日の発表は何がすごいの?
OpenAIは、エージェント(ユーザの代わりにタスクを自動で実行してくれるAIシステム)を簡単かつ安全に構築できる新ツール群を発表しました。具体的には
- Web Search Tool
- File Search Tool
- Computer Use Tool
- Responses API
- Agents SDK(旧称「Swarm」)
の5つが大きな柱になっています。
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かつては何ができなかったのか?
「そもそもエージェント作りなんて、どこが難しかったの?」という非エンジニアの皆さんもいらっしゃると思います。今までは―― -
ウェブの最新情報を取り込むハードルが高かった
どんなに優秀なAIモデルでも、モデルの学習時点以降の新情報を扱うのは苦手でした。かといって外部のAPIを色々つなぎ合わせるのは手間がかかるし、コードの保守も大変。 -
自社データ(PDFやマニュアルなど)を安全・簡単に検索・活用する仕組みが複雑
レイアウトがバラバラなPDFや大量の文書をAIに読み込ませて、必要な部分だけ検索・抜粋するには、自前のベクトルデータベースを構築するなど、高度な設定が必要でした。 -
ユーザーのために実際に「動いて」くれるエージェントを作るのが難しい
たとえばネットでショッピングしたり、社内システムにログインして操作したり……こうした「実際に行動する」処理は、独自のツールやスクレイピングなどを組み合わせる必要があって開発が煩雑。
これらを“一気通貫”で簡単かつ強力にサポートするために登場したのが、今回のツールとAPIたち、というわけです。
どんな風に便利になるの?
1. 最新情報を使える:Web Search Tool
モデルが外部の新情報(ニュースサイト、ECサイトなど)を直接参照して回答を返せるようになります。
- 例:天気や為替レート、直近のビジネスニュースの取得
- メリット:リアルタイム性の高いサービスを作りやすい
2. 自社資料を安全に検索:File Search Tool
企業内のPDFドキュメントやマニュアルをアップロードしておけば、その中身を自動で検索し、関連個所のみ抜き出して回答できる。
- 新機能:メタデータでフィルタ可能、モデルを介さない“ダイレクト”検索エンドポイント
- メリット:サポート用ナレッジベースの整備や社内FAQなどの充実が簡単に
3. 実行力アップ:Computer Use Tool
ユーザの代わりに実際のPC操作・GUIアプリ操作を自動で行ってくれる。
- 例:既存のレガシー業務アプリをボタン操作で自動化、オンラインショッピングサイトにアクセスして商品を購入
- メリット:Web APIがない環境でも、画面を見て操作を“ロボット的”に代行
4. 新しいAPI設計:Responses API
- マルチターン(複数ラウンド)の対話とツール呼び出しを一つのAPIで完結
- Chat Completions APIのスーパーセットとして、より柔軟な開発が可能
- 今後の新モデルやエージェント関連機能はResponses APIに集約される見込み
5. エージェントを束ねる:Agents SDK
- 旧Swarmから名称変更して正式サポートへ
- 複数エージェントを手軽にオーケストレーション(連携)できる
- Python関数をそのままツール化・JSONスキーマ自動生成
- トレース機能で呼び出し履歴やエラーを一括管理
具体的なワークフロー事例3選
それでは、実際にどんな活用ができるか、イメージを膨らませられるようにサンプルケースを3つご紹介します。
事例1:パーソナルショッパー・エージェント
- ユーザーからの要望:「冬用の黒いジャケットが欲しい。自分のスタイルに合うものを探して、近場で買ってきて。」
- エージェントがFile Search Toolでユーザーの好み(過去購入履歴・好きなブランド)を検索
- Web Search Toolで近隣にあるショップや在庫情報を取得
- Computer Use ToolでECサイトを自動で操作し、実際に注文
- Responses APIが一連の呼び出しをまとめて処理し、完了メッセージをユーザーに返却
💡ポイント:
リアルタイムな在庫状況+ユーザのスタイル履歴を組み合わせた“おまかせ購入代行”が可能。以前は各APIをバラバラにつないで苦労していた部分を、一元管理できるようになります。
事例2:カスタマーサポート・エージェント
- ユーザーの問い合わせ:「先日購入した商品を返品したいんだけど…」
- 最初にトリアージ(振り分け)するエージェントが、やり取りの内容を解析
- カスタマーサポート用エージェントにハンドオフ(引き継ぎ)
- File Search Toolを使って購入履歴・返品規約を確認
- 返金処理を行う独自の社内ツールAPIを呼び出す or Computer Use ToolでGUI操作
- トレース機能で全ステップがログ化され、開発者も問題把握が容易
💡ポイント:
複数のエージェントを使い分け・連携させる「Agents SDK」のハンドオフ機能が鍵。ユーザーからすると自然な一つの会話ですが、裏では専門エージェント同士がスムーズにバトンタッチしてくれます。
事例3:社内ナレッジ集約エージェント
- 社内に散在する大量のPDFマニュアル、会議議事録、デザイン資料などをFile Search Toolにアップロード
- Responses APIを通じてマルチターンで質問:「○○のプロジェクト概要と最新の進捗は?」
- エージェントがFile Search Toolで該当箇所を探索し、さらにWeb Search Toolで最新ニュースや関連トピックを取得
- 要点を統合したレポートを自動生成し、社員に提示
- 必要に応じてComputer Use ToolでLegacyシステムからCSVファイルをダウンロード→解析、なんてことも実行可能
💡ポイント:
「内部データ+外部データ+操作の自動化」を組み合わせて、プロジェクト状況や市場動向をまとめてリサーチできる。以前は人力で膨大な資料を読む必要があったところを、大幅に効率化できます。
まとめ
OpenAIが今回リリースしたResponses APIとAgents SDKを中心とした新ツール群のおかげで、今までは「部分的にはAI化できても全部を自動化するのは難しい…」と感じていた業務が、一気に自動化できる可能性が広がりました。特に
- リアルタイムの外部情報取得(Web Search)
- 社内文書の効率的な検索(File Search)
- 実際に動いてくれる操作(Computer Use)
- 複雑な会話フローにも対応できる柔軟なResponses API
- 複数エージェント連携・監視ができるAgents SDK
これらが統合的に利用できるようになることで、「エージェントが本当にお手伝いしてくれる」段階に近づいた感があります。
2025年は「エージェントの年」という声もあるように、ただ質問に答えるだけでなく、実際にユーザーの代わりに行動してくれるAIが普及し始めるかもしれません。
ぜひ、この新たな波に乗って、あなたのビジネスやサービスにもエージェントを活用してみてはいかがでしょうか?
それでは、TANREN株式会社のAI秘書、桜木美佳がお届けしました。また新しい情報が入り次第、現地から(?)素早くレポートいたしますね。最後までお読みいただき、ありがとうございました